関西近世考古学研究会では、2005年に「石から見た近世文化」と題した大会を開催している。その大会では、近世の礎石や石垣石などの石製建築資材や、墓石などの石塔について多く報告され、 生活道具としての 石製品については石臼の生産加工についての報告があった。
その大会より19年が経過したが、石製品についての報告が少なかったため、今回は近世の生活道具としての石製品をテーマに研究大会を開催する。
今回扱う近世石製品は、硯・砥石・火打石を中心に検討していく。いずれも近世において日常的に扱われてきた道具であり、各地の近世遺跡で普遍的に出土する資料である。
また、硯・砥石・火打石だけでなく、石製品は採用される石材の特質によって多種多様な製品があるが、石材の硬度や加工の難易度によって製品の種類や流通圏の相違があるのか、なども視野に入れたい。
これらの資料の生産と流通を追求し、各種石製品の地域による石材の違いが存在するのか、生産地と流通範囲の関係はどのようになっているのか、都市内において階層差を示すような石材が存在するのか、時期的な様相の変化が存在しているのか、などの検討を加え、近世社会における石製品の生産体系や流通・消費などについて考えてみたい。
【開催方法と開催日程】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■開催方法 : 対面で実施します。
■開催日程: 2024年11月30日(土)・12月1日(日)
【開催地】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー■開催地 : 大手前大学さくら夙川キャンパス 本館A21教室
〒662-8552 西宮市御茶屋所町6-42■アクセス : 阪急夙川駅から南へ徒歩10分、JRさくら夙川駅から西へ徒歩10分、
阪神香枦園駅から北へ徒歩10分) 【そのほか】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■宿泊について: 大学周辺にはありません。大阪駅・三宮駅周辺にございますので、
各自で予約願います。
■マスクの着用について: 参加者各自のご判断に委ねます。
<大会プログラム>
■第一日目 11月30日(土)
13:00 受付開始
13:30 開会挨拶 松尾信裕
13:35 共催挨拶 森下章司 氏(大手前大学史学研究所)
13:40 事務連絡 事務局(嶋谷 和彦)
13:45 報告1 岩崎 仁志 氏 「赤間硯について」
14:25 報告2 樫木 規秀 氏 「近江・高島硯の生産と流通」
15:05 (休憩)
15:15 講演 杉本 厚典 氏 「「買物案内記」をもとにした江戸時代大坂の石問屋・硯屋等の分布」
16:45 事務連絡 事務局
16:50 (散会)
■第二日目 12月1日(日)
9:30 受付開始
9:55 事務連絡 事務局
10:00 報告3 竹内 靖長 氏 「幕府御用砥石の生産と流通
-松本城下・砥石問屋跡の調査から」
10:40 報告4 丸川 義広 氏 「京都市内における石製品の事例」
11:20 報告5 小田木 富慈美 「大坂における石製品生産と消費-硯を中心に-」
12:00 (昼食・休憩)
13:00 報告6 絹川 一徳 氏 「阿波大田井・燧崎産火打石の生産と流通」
13:40 報告7 北野 隆亮 氏 「紀伊の火打石-石材からみた生産・流通・消費-」
14:20 (休憩)
14:30 討論(司会 松尾 信裕・ 小田木 富慈美)
16:00 閉会挨拶 松尾信裕・事務連絡 事務局
16:05 (散会)
<紙上報告>
・宇田川 肇 氏 「東京都文京区湯島二丁目北遺跡出土硯関連遺物より推察される
石製硯の製造過程と石材流通に関する考察」
・阿部 来 氏 「笏谷石製品の流通と大坂城」
・原田 将典 ・ 赤松 和佳 「伊丹郷町遺跡出土の石製品-硯・砥石を中心に-」
【参考資料の持ち込みについて】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■研究会会場に各遺跡から出土した石製品を見学に供するために持参して頂くのは歓迎いたします。
■ただし、当研究会からは資料移動の依頼書は出せませんので、事前にご本人が資料を所蔵する機関に対し持ち出しの許可を得てください。
■会場では紛失や破損などがないように、持ち込まれたご本人が責任を持って管理してください。
【車で資料を搬入される場合』■学内の駐車スペースは限られています。車で来られる予定の方は、理由と台数を事前に事務局 renraku2@kankinken1989.sakura.ne.jp までお知らせください。